こんにちは。ふるかわゆきです。
先日、フルマラソンを4時間24分で無事に完走しました。
社会人になってから毎年、会社のメンバーでかすみがうらマラソンに出場しています。
今回4度目の出場にして大きな学びを得たので、こうしてブログに残そうと思いました。
Contents
かすみがうらマラソンとは?
大会の正式名称はかすみがうらマラソン兼国際盲人マラソン2018です。
1991年の第一回大会より今年で28回目の開催となります。
大会に関する詳細はこちら↓
https://www.kasumigaura-marathon.jp/
フルマラソンのコース
前日から当日のスタート直前まで
いよいよ本番を明日に控えた土曜日の朝、「今日は走らないでウォーキングだけにしよう」と思い近所の公園を歩きました。
歩いた距離はトータルで5kmでした。
天気予報では本番の5日前くらいから土日は春の嵐になる予報が出ていました。
https://tenki.jp/lite/forecaster/t_yoshida/2018/04/13/400.html
だから、歩いている間は「明日暴風雨で中止にならないかな、、、」なんてことを考えていました。
中途半端な暴風雨が一番困るものです。
一昨年出場した時は、20km地点過ぎた後半から雨風が強くなってきて、
まっすぐ走れないくらいの強風とシャワーのような雨を浴びて、半泣きで走ったことを覚えています。
そして、前日の土曜日に限って会社の営業部の飲み会がありました。
15名ほどの飲み会の席で、私は「明日フルマラソン走るので、今日は飲みません!
その代わり炭水化物摂らないといけないので、おにぎり頼みます!」と宣言して梅干しおにぎりを一人注文しました。
なんだかんだ飲み会の会場は家から徒歩10分の場所だったので、その日は22時半には就寝できました。
翌朝、6時に目覚ましをセットしたものの、風の音がすごくて5時半に目を覚ましてしまいました。
「はぁ~~~この中走るのか、、、」と重い足取りで準備して、ゆっくり朝食を食べて、余った時間で読書したりストレッチをしました。
それでも気合を入れていざ出発!
7時半に家を出て会場へ向かいました。
スタートから10km地点まで
毎回スタート前は会場で荷物を預けて、準備体操をしてスタート前へという流れでした。
しかし今回は雨が降っていたので、駐車場ですべて準備を済ませてスタート前に直行することにしました。
風はおさまって、雨も小雨になりましたが、念のためビニールのポンチョを準備しました。
いつでも捨てられるように、ごみ袋を切ってテーピングで補強した手作り感満載の貧乏くさいポンチョでしたが、無いよりマシだと思い、スタート直前に作りました。
会社の同僚と3人でスタート前に人ごみの中並び、写真を撮る余裕も無く、時計を見ながらドキドキ、、、
ランニング用の時計で心拍数は120近くになっていました。
そしていよいよスタート!
スタートは人が多すぎて、なかなか前へ進めません。
「あれ、ここからスタート??」という感じでスタートのゲートを通ります。
そのまま人ごみの流れに乗っていく感じで、1km地点まで1km7分くらいのペースで走りました。
そこを過ぎたあたりで、帽子にハートのバルーンを着けた目標5時間でゴールする人のためのペースアドバイザーのランナーを抜かしました。
その時に「5時間でこのペースなら4時間半のペースアドバイザーに付いていけるかも!」とスイッチが入りました。
その時点から、私よりずっと前を走っているまだ姿も見えない、4時間半のペースアドバイザーを追いかけることに決めました。
ペースは1km5分ペースに上げました。
「ここで体力を温存したところで最後はどっちにしろ辛いのだから、10km地点の通過前に捕まえよう!」と手作りポンチョも途中でごみ箱に捨てて、必死に走りました。
7km過ぎたころに500m先で、金の星のバルーンがチラチラ見え、「いたー!!」
金の星のバルーンを頭につけた4時間半ペースアドバイザーさんをやっと見つけました。
ペースアドバイザーさんは男女2人ペアでした。
9km地点でアドバイザーさんに追いつくまではずっと「金の星、きんのほし、きんのほし」と頭で唱えながら走っていました。
10~20km地点
アドバイザーさんに追いつくと、ペースは1km6分ペースだったので、十分に呼吸を整えることができました。
走っている途中は、呼吸が乱れた時の整え方やフルマラソンでのペース配分など、その都度走りながらアドバイスをしてくれました。
今まで3回フルマラソン走ってきた中で、「どうしてペースアドバイザーさんに付いていこうという考えが1度も浮かばなかったのだろう」と後悔しました。
いつものことなら10~20km地点は体の調子が一番良いので、スピードを上げてしまっていました。
今回は「いかにラクに体力を温存しながら20km地点まで走るか」を考えながら、アドバイス通りに呼吸を整え、ちょっと先を走る人の背中をぼーっと眺めながら走り続けました。
体力のあるこの区間で後半に向けて、給水と給食をしっかり摂ることがポイントということも教えてもらいました。
だから給水ポイントでは少し歩いてもしっかり水分と栄養補給をしました。
本当に毎回感動するのですが、マラソン走っている時って沿道の人たちがすごく応援してくれるんです。
小さい子供が「がんばれー!」って手を振ってくれたり、コスプレをして応援してくれる方、給水ポイントではないのに自宅の前を自前の給水ポイントにして水や飴を配ってくださる方。
見ず知らずの人を必死で応援してくれる方々に本当に勇気づけられるものです。
「応援されるってなんだかいいな」って温かい気持ちになれます。
20~30km地点
ペースアドバイザーさんにくっついて走っていたら、いつの間にか20km過ぎていました。
毎回「あと半分かぁ、、、」と軽く味わう絶望感は今回ありませんでした。
「このままついて行ったらいつもより順調ににゴールできるんじゃないか」とも思ってしまいました。
ただし、自分でもわかっていた事実は、普段の練習からこのペースでずっとついていけるほどの練習をしていないことでした。
練習のペースの平均は1km6分半、早くて5分半でした。
しかもこの大会に向けて走った練習の最長はたった13km。
3月は練習で5km週一日走る程度、4月に入ってから焦って本格的に週三~四日で10km走る練習を始めました。
そんな練習で完走できたのは学生時代、ラクロス部で鍛えてきた体力貯金と、昨年入部したドッチボールのクラブチームの練習のおかげです。
もし、ゴールまでペースアドバイザーさんについていけなくなったとしても、「せめてフルマラソンの30kmの壁はアドバイザーさんと一緒に越えたい!」
と思いました。
よくフルマラソンで言われる30kmの壁は今まで走ってきた3回で体感しているので、そこが一番不安でした。
本当に30km越えると上半身と下半身が別物になったような感覚で、片足に10kgずつおもりつけたようになります。
一度止まったらもう動けないんじゃないかと思うくらいです。
ペースアドバイザーさんも「フルマラソンで30km過ぎたときに足が動くか動かないかで、ゴールまでの道のりが左右される」と言っていました。
26km地点くらいからアドバイザーさんのペースが少し早く感じるようになってきました。
決して、ペースが上がったのではなく自分が疲れてきたのです。
1km地点ごとの看板も長く感じてきてこれはやばいと思い始めました。
そうしたら、私の前を走っていたおじさんが27km地点で女性のペースアドバイザーさんに
「あなたと一緒に走れるのもあと15kmしかないのか~」と残念そうに言いました。
その瞬間、ペースアドバイザーさんに団子になってくっついていた集団に笑いが起きました。
「なんてポジティブなおじさんだ!ありがとう!」と私も笑いながら心の中で思いました。
そういう時って不思議と体が軽くなる気がするんですね。本当に不思議です。
30km~ゴール!!
超ポジティブなおじさんのおかげで、私も脱落することなく無事に30kmの壁を乗り切ることができました。
そのあたりで会社の同僚が応援してくれていたのでさらに元気をもらえました。
その時の写真が上記のです‼
余裕そうに笑顔で手を振っていますが、実はそんなことありません。
ペースアドバイザーさんが「次は35kmを一緒に目指しましょう。ここからは本当に気の持ちようなので、気を確かに、楽しいことを考えながら走りましょう。ゴールした後、温泉入っているでもいいですし、ビール飲んでいる、何でもいいです。人は気持ちがダメになると身体もダメになってしまいます」
私はその時、近い未来とちょっと先の未来のことを考えました。
近い未来は、今日の夕方に応援に来てくれた両親と美味しい焼肉を食べているところで、ちょっと先の未来はカナダに留学に行って海外生活を楽しんでいる場面です。
「これだけ苦しい想いをしているならちょっとした願い事のひとつは叶ってほしいな」とも思ってしまいました。
35km 地点、何とかまだペースアドバイザーさんに付いていけてます。
ただし、今まででよりも2~3m後ろを走っている格好になってきました。
だんだん呼吸も立て直せないくらい乱れてきて、息を吐く時に変な声が混じってきました。
このときくらいからちょっと精神的にもおかしな状態になってきました。
「気は確かに持ってください」という言葉が頭の中をぐるぐる回るのに、全然ポジティブなことを考えられなくなって来ました。
こうなってくると、苦しい、辛いという感情で頭がいっぱいで軽く発狂しそうになりました。
「もう限界かも、、、」38km地点手前でペースアドバイザーさんについていくのをやめました。
金の星がどんどん遠ざかっています。
未だにちょっと精神状態がおかしくなっているまま、38km過ぎたところの給水所のゴミ箱付近で屈伸をしていました。
その途端、頭に何か軽く当たりました。
「すみません。」
ランナーの男性がゴミ箱に捨てようとした紙コップが私の頭に当たったのです。
別に痛かったわけでもありませんが、その瞬間に「ハッ」と正気に戻された気がしました。
そこからあと4kmをどうやって走るか、ちゃんと考えることができる理性が戻ってきました。
「もう金の星は見えなくなってしまったけれど、残りの道を一度も止まらずに、1km7分ペースでゆっくり走ろう」
そう決めてまた、走り出しました。「あと、もうちょっと!」
ここまでくると周りの人も、ゾンビみたいに走っている人や足を引きずりながら歩いている人は少なくありません。
そして、いよいよあと2kmというところで時計を見ると、
4時間10分「これ、このままいけば4時間半切れるじゃん!」と喜びがこみ上げてきました。
ここまで来たらゴール付近で待っているであろう、会社の同僚と両親に向けてどんなポーズでゴールしようかちょっと考えてしまいました。
競技場のゲートをくぐってゴールまで残り数百メートル。
「もう終わる、最後までちゃんとした格好でゴールしたい」
より一層走るフォームを正しました。
けれど、「え、、、だれも応援いなくない?(笑)」
そのままゴール
「やっと終わった、、、」
記録は4時間24分でした。
ゴールを過ぎて数十メートル歩いたところで両親がスマホのカメラで写真を撮っていました。
そして、少し歩いた後、しばらく座り込みました。
後から聞いた話、会社の同僚は30km地点で応援した後、ゴールの競技場へ向かいましたが、間に合わなかったそうです。
まとめ(学んだこと)
例年とあまり変わらない練習量の割りに、今までで一番良いタイムが出た要因は3つあると思っています。
・スタート~10km以内でペースアドバイザーさんに追いついたこと
・9km地点から38kmまでペースアドバイザーさんについて行ったこと
・一人でゴールを目指すことになったときに、自分なりの目標を立てて、そのペースを守ったこと
の3つが結果に結びついたのだと思います。
更にこの3つの中で一番重要だったことが、ペースアドバイザーさんについて行ったことです。
これをビジネスやスポーツに例えると、その道の先生やプロのコーチについていくことと同じだと思いました。
もし、一人で走っていたら一定のペースではなく、疲れてきたときフォームも崩れていたでしょう。
もっと苦しい展開になっていたことが想像できます。
新しいことを始めるときなども、初めから自己流でやってみるよりも基礎が出来上がるまでは、
プロのコーチや先生に指導してもらった方が、上達のスピードが格段に早くなります。
また、ペースアドバイザーさんについて行ったことにより、同じゴールを目指す仲間ができました。
ペースアドバイザーさんについて走る人は、他に10人ほどいました。
直接その人たち同士で励ましあうことはありませんでしたが、私は27km地点のポジティブなおじさんの発言によって気持ちを持ち直しました。
それに隣で頑張って走っている人の存在があれば、それだけで自分も「頑張ろう」という気持ちになります。
辛い状況の時ほど同じゴールを目指す仲間の存在はとても大きなものだと改めて実感しました。
こういったことから、ビジネスでもスポーツでも信頼できる人やコーチ、先生について行くことは成果を出すための一番の近道なのではないかと思います。
今回で人生4回目のフルマラソンはこのようにとても学びが多いものとなりました。
それにしても辛かったぁ
次回はもっとちゃんと練習します。
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